それは三千年前、アンデス文明の北のはずれで生まれました。そして・・・

【長い眠りから覚めた古びた土器がアンデス研究、そして現代陶芸に新風を吹き込みました】


<アンデス研究への新風>

その古びた土器というのは、このボトルです。

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鳥付き双胴笛吹きボトル
エクアドル南部海岸/形成期、チョレーラ文化(紀元前1100~前100年)


この種のボトルは日本の研究者の間で「笛付きボトル」と呼ばれ、土器の笛が内外どちらかに付いていることが知られていましたが、鳴らし方については関心が示されず分析もされていませんでした。ただ「口で吹けば鳴るボトル」という、あやふやな認識で(実際に吹くと鳴ります)。このボトルも口で吹くと、長く「ピーーーーーーー」という連続音が出ます。そのため数十年前に土の中から掘り出され、五十年前に日本にやって来てからもずっと、「口で吹けば鳴るボトル」と認識されていたのです。ただ本来の用途は、トウモロコシの聖なるお酒チチャを入れるボトルでした。

「本当は口で吹いて鳴らしたのではなく、中に入ったお酒を揺らして空気を動かすことで鳴るのでは?」と、私がふとそう思いついたのは7年前のことでした。そしてそれを確かめるため、『三千年前に作られた土器に液体(水)を入れて揺らしてみる』という世紀の大実験にチャレンジしたのです。これは通常の博物館や美術館、大学では絶対に出来ない実験ですが、「リスクを冒さなければ、その先にあるかも知れない素晴らしい世界が開けない」というのが私どもBIZEZN中南米美術館のポリシー。そして、岡山県立大学でアンデス地方の伝統的な土器作りを研究していた(メキシコ生まれの)真世土マウ先生を誘って実際に行った実証実験結果が、下の動画です。口で吹くのと同様に「ピーーーーーーー」という音がするのかと思っていたところ、こんな音が・・・
https://youtu.be/96KuiJi50WI

驚いた私と真世土先生は、この笛吹きボトルと40個の弊館収蔵笛吹きボトルのうち数個を東京大学総合研究博物館に持ち込んでCTスキャンを撮っていただき、内部構造を調べました。そのうちの一枚が、このCT画像です。
チョレーラ 鳥付き双胴笛吹きボトル.jpg

長くなりますのでここに詳細は記しませんが、このCT画像の中に、鳥がさえずる驚くべき仕組みが写っています。その後は私どもBIZEN中南米美術館、岡山県立大学、東京大学総合研究博物館(→後に放送大学に移管)、また新たに東海大学も加わって笛吹きボトルの科学的・歴史的研究を進め、毎年古代アメリカ学会で研究成果を発表しています。そしてこの研究は、現在各国の笛吹きボトル研究者から注目されています。

*本研究の成果については「古代アンデス『色』の匠」展の展示や私の館内ガイドで、ご紹介致します。

研究チームの中で私が特に興味を持って取り組んでいるのが、「笛吹きボトルは、そもそも何のために作られたのか」ということです。そして最新の見解として下記のような二つの仮説を立てています。

①笛吹きボトルが生まれ、アンデス北部でシャーマンが社会のトップにいた紀元前3100年~紀元前後は、聖なるトウモロコシ酒チチャと笛の音を神に捧げるためのボトルだったと思われます(この時代は祭壇の前で使用したと思われるタイプが多いことが、この仮説を補強)。

②アンデスに王権が現れた紀元前後からインカ帝国が滅びる16世紀にかけては、王たちによりしばしば饗宴が催されました。そして笛吹きボトルがアンデス全域で大流行したその時代、そのデザインや音のバリエーションは極めて多彩になりました。またレプリカを使った実験で、笛吹きボトルに入れて揺らしたチチャ酒が瞬時にまろやかで香り豊かになることもわかっています。すなわち儀礼用の器から、宴に欠かせないアミューズメント容器、そしてある意味調理容器になったのではないかと考えています。


<現代陶芸への新風>

私どもBIZEN中南米美術館では上述の構造分析の研究成果を生かし、若手備前焼作家にご協力いただき、ここ数年備前焼の笛吹きボトルを生み出して参りました。もちろん②のアミューズメント、調理という特長を持った笛吹きボトルです。それらを下にご紹介します。

SAEZURI BIZEN「永遠の友情」/制作終了
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2018年の日エクアドル外交関係樹立100周年を記念して制作した作品で、当時の安倍首相と記念式典に来日されたレニン・モレノ大統領に贈呈すると同時に、弊館のサポーターさんにも少数のみご購入いただきました。日本の鶴とガラパゴスの陸ガメで、両国の友情を表現しています。初めてのオリジナル作品で作家さんも造形に力を入れたため、笛の音は短く小さなものです。

初代笛吹きペッカリ―/制作終了
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備前焼の登り窯で作った本格的で味のある作品で、お揃いのぐい呑みも制作。日本酒を美味しく飲んでいただく目的で作りました。音は少し大きめで、わずかに長くなりました。弊館のサポーターさんやご入館者に、限定数お買い求めいただきました。

笛吹きペッカリ―(リアルタイプ)/制作終了
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笛吹きペッカリ―(キュートタイプ)/制作終了
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実際の使用動画です → https://youtu.be/8-E8nsoXWJQ

*これは水を使っていますが、実使用の際にはボディのしっかりした赤ワインを入れ、ゆっくりと左右のチャンバー(部屋)を交互に5回ほど上下させた後にグラスに注ぎ入れてください。所要時間は2、3分ですが使用前の味と使用後の味は全く異なり、使用後はまろやかで香立ちます。

両タイプの笛吹きペッカリ―は、新たな研究成果を導入ししたことで音が大きく長くなりました。赤ワインのデキャンターとして、弊館のサポーターさんやご入館者に、現定数お買い求めいただきました。

*「50周年ごちそう村まつり in Tokyo」の開催場所、麻布台ヒルズのALDOには笛吹きペッカリ―(キュートタイプ)がございますので、村まつり当日は赤ワインを美味しくして飲みたいと思います。

笛吹きアルピー/制作終了
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ベビーアルパカをデザインした備前焼笛吹きボトルです。容量を大きくしたため少々重く、音も逆に少し短く小さくなりました。弊館のサポーターさんやご入館者に、限定数お買い求めいただきました。


地元の重要工芸品で古来お酒を美味しくする陶器としても知られる備前焼を生かしたオリジナル笛吹きボトルでしたが、一点一点手作りのうえ年に一度~数度窯入れする時にしか制作出来ないため、現在は制作を終了しています。しかしその後も研究が進み、よりチャーミングなデザインや音も生み出せることがわかって来ましたため、私どもBIZEN中南米美術館創館50周年を記念して新たなタイプの制作を準備しています。

今回は笛吹きボトル研究の同志で陶芸家でもいらっしゃる岡山県立大学教授、真世土マウ先生 https://x.gd/uJS6er とのコラボ作品です。制作方針としては「個性的な造形の色彩豊かな作品で、かつてない音量で魅力的な笛を吹くボトルにする」で、今年から来年にかけて二種類の作品を制作する予定です。

①タイプA(アーティスト制作)
数量限定(20個)で真世土先生の故郷メキシコ風の大人向けフォルムと鮮やかな色彩で、最高の音色を持つ、真世土先生手作りの謂わば作家作品。+αのキュートな付属品も予定しています。

②タイプD(量産デイリーユース)
多くの人に受け入れられるクセがなくオシャレなデザインで、音色もこれまで以上に魅力的な作品を工場生産。


直近の打ち合わせで両タイプ制作のスケジュールがかなり前倒しとなり、①に関しては11月下旬の出来上がりで、クリスマス前までのお届け。②に関しては、2026年1月までにお届け出来る見込みです。2025年10月28日現在。

かなりアブナイ美術館」のアっと驚く作品のため、現時点では「(ミステリアス)笛吹きボトルAタイプ」、「(ミステリアス)笛吹きボトルBタイプ」と称します。またミステリアスなため、出来上がりデザインや色彩、音色はギリギリまで非公開です^^が、あくまでもご参考までに、メキシカンデザインをイメージ出来る陶器の写真を下に貼り付けます。

*本ミステリアス笛吹きボトルはタイミングを見てメディア各社にもリリース予定です。それまでは、例え限定的でも公開すると情報鮮度が落ちてしまうため、「ミステリアス笛吹きボトル」のままご案内申し上げます次第です。どうか、ご了解ください。

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<BIZEN中南米美術館創館50周年記念「ミステリアス笛吹きボトル」ご紹介と予約販売ご案内>


ということで今回は特別に、BIZEN中南米美術館の特別なサポーターでいらっしゃるセネターさんとWSBC(終身サポートBLAM倶楽部)会員のみなさまにのみ先行して、「ミステリアス笛吹きボトル(タイプA)」予約販売のご案内を申し上げます。→ 10月19日~は、ヤシュ・ナーブ村の村人さんにもご案内致します。

作品名:
ミステリアス笛吹きボトル(タイプA)

特徴:
お酒を入れて左右を交互に上下させると嘗てない魅力的な笛の音がして、短時間にお酒をマイルドで香り高くします。

用途・容量:
赤ワイン用デキャンター(日本酒、焼酎もマイルドで香り高くなります)、400mlの予定
*+αのチャーミングな付属品も予定しています。

価格:
20000円(税・送料込)

提供数:
限定20個

お申込み方法:
info@latinamerica.jp まで、タイトルに『ミステリアス笛吹きボトル(タイプA)希望』、本文に『お名前(ご住所・電話に変更があった場合は、ご住所・電話番号も)』を記して、お申込みください。折り返し御礼と正式受け付けのご案内を差し上げます。

お申し込み締切:
2025年10月24日(金)

*ミステリアス笛吹きボトル(タイプA)は締め切りまでに20個すべてのご予約をいただきました。ありがとうございました!続いてタイプBの受け付けも早期に始めますので、お楽しみに。




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