オイラ、ペッカリーの「ヘソイノシシとなり」

★オイラの「ヘソイノシシとなり」

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今から三千年前、野生のヘソイノシシだったオイラは今のエクアドル南海岸で迷子になった。そんなオイラを保護してくれたのは、弟と妹を連れたトナっていう13才のお兄ちゃん。トナは人々の人望を集めるパパで村長(むらおさ)のアタワと優しいママ、トトの子で、オイラも家族の一員として可愛がられたの。

そこでオイラは、人の気持ちがわかる不思議な力を持つことになったんだ。そしてトナは土器作りに才能を開花させ、ある日オイラそっくりの土偶を作ったの。とても愉快な姿のオイラを。海山の幸が豊かで平和な村はしばしば地震や火山の噴火に見舞われたから、なんとか人々の心を明るくしようと考えてね。

ところがある日オイラは、トナの妹メメの身代わりとなり山猫に命を奪われちゃった。家族はオイラの死を心から悼み、オイラの土偶をオイラ同様大切にしてくれた。その時から土偶には、オイラの魂が宿ったの。そして三千年の時が過ぎたんだ。

ある時、誰かがオイラを土の中から掘り出し、オイラは何人もの持ち主の間を転々とする。そして五十年前に太平洋を越えエクアドルを訪れた日本人に買い取られて海を渡り、岡山の小さな漁村にあるBIZEN中南米美術館へとやって来たんだよ。その日本人ってのは・・・そう、今の館長のおじいちゃん。

そうそう、オイラときどき「ペカちゃんは三千才なの!?」って聞かれるんだけど、じつは九才^^; 土の中に埋もれた時、歳をとらなくなっちゃったんだ。で、今も九才。そもそも土偶が歳を取るかどうかって問題もあるけど、魂も九才のままってことね。

オイラは今日も館長やスタッフ、そして来館者に可愛がられながら彼らの心の声に耳を傾けている。そして三千年たった今もトナが望んだ通り、みんなの心をいやし笑顔の輪を拡げている。でもこの頃ふと思うんだ。実はオイラこそ、みんなの笑顔で元気づけられてるんじゃないかってね。

それから、みんなかん違いしないでね。オイラはカキオコの守護神に任命されてるけど、本物の神さまなんかじゃない。だからみんなの願いを叶えるのは無理なんだ。でもオイラの目をよく見て、話しかけてみて。みんなの気持になって、お話を一生懸命聞くからね。


●これがオイラ誕生の歴史。公式=学術的には、オイラがエクアドルのチョレーラで紀元前1200~紀元前200年頃生まれた身長16cm、体重450gの動物象形土偶・・・という以外、何も分かっていないんだ。でもオイラ自身は知っている。オイラのヘソイノシシとなりをね(^_-)☆

じゃあ、もう一度最初のページに帰ってね。

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